今日は「診断」シリーズ最終回。診断-5の記事からの続きです。前回記事はこちら。
タクミさんはADHDでした。そしてASDの傾向も強く出ていると言われました。さあこれから私たちはどうするか。
タクミさんが日常生活で困っているのは以下の2つ。
- 家族(子はまだ幼いので、主に妻)とのコミュニケーション
- 職場でのコミュニケーション
この時点で「タクミさんがADHDおよびASDである」という事実を知っているのは私と、タクミさんの両親だけです。タクミさんの両親は私たちとは別居なので1年に数回会う程度。
1. 家族(子はまだ幼いので、主に妻)とのコミュニケーション
妻、つまり私はタクミさんの診断結果をある程度予想しており、そして結果はほぼその通りでした。私は数年前からタクミさんに対して「ADHDでASDである」という認識で接してきました。なので妻→タクミさんの働きかけはここから劇的には改善しない。これ以上改善するにはタクミさん自身が行動を変えていかなければならない。
2. 職場でのコミュニケーション
タクミさんは診断結果を職場にカミングアウトする気はないと言いました。偏見もあるしデメリットがおおきい。私もそれは賛成です。でもそれは相手からの働きかけは今までと変わらないということでもある。改善するにはタクミさん自身が行動を変えていかなければならない。
そう、「タクミさんが日常困っていることを改善」するには「タクミさん自身が行動を変えていかなければならない」のです。
私はとてもネガティブな感覚を持ちました。無理だわ。「誰かがどうにかしてくれる愛されキャラ」でここまでの人生乗り切ってきた人なのに。この人究極の受け身人生なのに!!!
クリニックからはこのあと「診断結果を踏まえたカウンセリング」を進められていました。自分の特性を理解した上で、これからどうしていくか考えましょうと。でも私にはそれが意義あることには思えませんでした。診断結果レポートを1時間かけて読み合わせしてきたのに「レポートにはなんて書いてあった?」って言う人がカウンセリングを上手に活かせるとは思えない。診断後のカウンセリングは1回7,000円。たっかーい。私お昼ごはんを7回食べられるわ。率直にお金がもったいないと感じてしまう。
いや、わからない。カウンセリングでタクミさんが生きるヒントをもらえて、これからハッピーになるかもしれないじゃない?
だけど。ああだけど。さっき聞いてきたことをもう全部忘れているタクミさん。私はタクミさんのお母さんじゃないからカウンセリングに毎回ついていって実生活にそれを活かすなんてできない。
まだ起きていない未来のことをくよくよ心配してネガティブになるのは私の短所です。そして、私は「今ハッピーである」ことを大切にするタクミさんに会ってすごく救われたんだった。
「俺、カウンセラーさんと話して『カウンセリングを受けると俺にどんな良いことがあるのか』ちゃんと聞いてくるよ。いくらかかって、どのくらいの期間かよって、どんなメリットがあるのか。それをさくらに伝えるからそれで判断してもらえないかな」
タクミさんの割に(失礼)なんて建設的な意見! 惜しむらくはそれを前回診断結果のときに聞いてきてほしかったけど、でも。タクミさんが自分でそういうならそうしよう。わかったわ。あと1回、7,000円出そうじゃないの。7回お弁当持っていくわよ。
読んでくれてありがとうございます。
「診断」についてはいったんここまでで区切りたいと思います。このあとの話はまたいずれ「カウンセリング」というカテゴリでお話ししていきますね。