診断-2の記事からの続きです。前回記事はこちら
「アルコールを飲まないと夜眠れない」という理由で睡眠導入剤を処方されたタクミさん。「アルコールを飲んで寝る日」「アルコールは断ち、薬を飲んで寝る日」が交互に繰り返されます。なんだかすごくカラダに悪そう。
そもそもタクミさんって家にいるときはいつも寝ている印象、眠れないだなんてほぼ初耳です。深夜に帰ってきてお風呂にも入らずソファーで寝ていることもよくあります。
あなたは本当に眠れないの? 朝から夜まで働いてカラダは疲れているはずだし、ベッドに入って目をつぶったら眠れると思うけどなあ。
「ベッドで目をつぶったら寝ると思う」
は? じゃあ眠れないっていうのはどういう状況?
「ビールを飲みながらパソコンの前でいろいろ調べものしたり、音楽を聴いたり。そうするとだんだん眠くなってきて、仕方なく寝る」
は? ビール要らないんじゃない? 普通に寝れば?
「ビールも薬も飲んでいない状態で寝るのはちょっと無理だ」
タクミさんが何を言っているのか、最初私には全然わかりませんでした。しんぼうづよくコミュニケーションを取った結果驚きの真相が判明。
仕事だけして1日が終わるなんてつまらない人生だと感じる。充実した1日を過ごしたという証に夜は楽しいことをして過ごしたい。趣味の時間を持たずに明日の仕事のために早く寝るなんてかっこわるい。アルコールを飲んだから仕方なく寝てしまうのはまあ許せるけれど。睡眠導入剤のせいで眠くなるのはまあ仕方ないけれど。
つまり、「自分から早寝するのはかっこわるい、酒や薬の力で仕方なく寝たということならプライドが保たれる」というわけです。これ、タクミさん本人も自覚していませんでした。「酒や薬がないと眠れないんだよね〜俺」という感覚。きゃーーーーー恐ろしいわ! これってASDのせいなの?
ねえ、タクミさん。その考えは間違っている。「明日の仕事のために早く寝る」男ってとてもかっこいいと思う。あなたは堂々と胸をはって寝ればいい。仕事への責任感にあふれた頼れる夫を持って、私は誇らしいのよ。
タクミさんは納得し、その夜からアルコールも睡眠導入剤もなしで寝られるようになりました。金曜日の夜に夫婦で乾杯するお酒、ほら、こんなにおいしい。
次回は発達障害の検査について。