愛した男はADHDでした。

はじめまして、さくらです。結婚10年めで、夫タクミさんがADHDと判明。日々の迷いと決意を綴ります。

診断-1 義父の説得でADHD夫が受診を決断する〜俺は困っていない、だからこのままでいい

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尋常じゃない私の姿を見た義父の行動は素早かった。
翌週末、私たちの自宅にきて「夫婦の会話の仲立ちをします」と宣言してくれました。

「もう何も話したくないと思っているかもしれない。だけど、今、話すことがなによりも大事だ。たとえ互いに文句の言い合いになったとしても、それでも黙り込むよりずっといい」
「私は2人の会話の仲立ちをします。2人はお互いに話す必要はなくて、私に向かって話してくれればいい。まずさくらさんの話から聞こう」

なんてまっとうで公平な人なのだろう、お義父さん。
義父がいてくれたおかげで、普段の話し合いでは頻繁に起こる「タクミさんが飽きて席を立つ」「さくらが諦めて捨て台詞」ということがなく、1時間話すことができました。

義父はタクミさんと私の会話がまったく噛み合ないことにとても驚いていました。さくらの話をタクミさんが理解しないことを目の当たりにしたのです。

「さくらは困っている。でも俺は困っていない。だからこのままでいい」
というのがタクミさんの論理展開。

いや、夫婦関係を改善しようという話し合いでその考え方はおかしいだろう。でも、そういえば子どもの頃から「父さん母さんは困っている。でも俺は困っていない。だからこのままでいい」という考え方をする子だったかもしれない。「遅刻しても俺は平気だから。そんなに俺に遅刻させたくないなら母さんがきちんと起こせばいいだろう」などと言っていた。当時そこに疑問を抱かなかった、それは親子だったからなのか?

タクミと1対1で話しているときにはタクミがおかしいと感じなかった。でも今、さくらさんとタクミが話しているのを聞いているとさくらさんが困るのがよくわかる。

義父はさくら語を翻訳してタクミさんに伝えようといろいろと言葉を変えて試みてくれましたが、やはりタクミさんには伝わりません。ここで初めて義父が私の「タクミさんを受診させてほしい」という言葉の切実さを理解してくれます。「もしタクミが生きづらいと感じているなら受診してみてもいいんじゃないかな?」くらいの感じでここへ来た義父でしたが「受診するのはタクミの義務である」という方向に語調が変わりました。

「もしこれが障害なら、コミュニケーションがうまくいかないのはタクミの責任ではない。でもタクミが原因には違いない。それでタクミとまわりの人が困るなら、診断を受けて適切な方法を学ぶのはタクミにとってもまわりの人にとっても望ましいことだ。タクミは診断を受けるべきだよ」

ついにタクミさんが決断しました。

「俺も、困っている。仕事ではお客さんを怒らせてしまう。家ではさくらを怒らせてしまう。わかった。診断を受けるよ」

 

続きます。

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