タクミさんにADHDおよびASDの診断が出たあと、私たちは夫婦の会話ルールを決めました。
- タクミさんとさくらは1:1。
- 主語をいれかえて問題をずらさない。マイナスにマイナスで反論しない。
1. タクミさんとさくらは1:1。
主に私が心がけるべきルール。
ADHDの割合は人口の約1%とも3%とも言われていますが、家の中では「ADHDのタクミさん1人、定型のさくら1人。多数決なら半々」という考え方をする。さくらはタクミさんに対して「普通ならみんなこう考える、あなたの行動は常識から外れている」というような攻撃をしないこと。
これがなかなか難しくて、つい「普通なら〜」とか「みんなは〜」と言ってしまいます。気をつけるようになってわかったけれど、「普通は〜」と説得するの、ラクなんだよね。
小学校の運動会、めんどくさいから行きたくないというタクミさんを説得するときに「めんどくさいだなんて父親としてありえない。子どもの運動会にでるのは親なら当然。他のお父さんたちもみんなくるわよ!」っていう責め方は反論の余地のない強さです。
だけどこのルールを決めてから「子ども達はパパに来てほしいと思っている。私もあなたが一緒にいてくれたら心強いし嬉しい。仕事で疲れているのはわかるけど、私と子ども達のためにぜひ来てください」と言うようになりました。これでも来てくれない場合はあきらめて、そしてひきずらないという割り切りも必要です。
2. 主語をいれかえて問題をずらさない。マイナスにマイナスで反論しない。
主にタクミさんが心がけるべきルール。
NG例「私、仕事忙しくて最近寝不足なの」「俺だって忙しい」
NG例「今日ゴミの日なのに出してくれなかったわね」「さくらだって忘れることもあるだろ」
タクミさんは「自分が主役以外の世界」がよくわかりません。さくらにはさくらの都合があり、事情がある、というのが根本的に理解できないので「さくらが忙しくて寝不足」「俺だって忙しくて寝不足」はまったく違う問題だということがわからず、よくこういう反論の仕方をします。
図を書いてみたり、日本と外国に例えたり(笑)して、やっと少しわかってもらえたかなあ。
一歩一歩。タクミさんと私が「同じ価値観」を持つ日は来ないかもしれないけれど、「違う価値観を持った人」を認めることはできるはず。共感しあうことは難しくても、理解しあうことはできるはず。