これはまだ診断がおりる前、そして私がタクミさんの特性に気がつく前の話です。
結婚丸2年、今日から3年めになるという結婚記念日。
タクミさんはケーキを買いに行ってくれました。「ケーキやさんのショーケースの前で電話するよ。どんなケーキがあるか伝えるから、さくらが好きなものを教えてよ」
嬉しくて、わくわく待っていました。1歳になる息子と「パパが電話くれるんだよー」なんて話しながら。
2時間たっても電話がない。
3時間たっても電話がない。ケーキやさんには30分もあればつくはずなのに。
たまらなくなって、かけてみる。もしもし?大丈夫? 「あっ、ごめん!ヨドバシカメラにいるんだ。すぐ帰る」がちゃん。
よかった、事故にでもあったのかと思った。電気やさんに寄ってたのね。タクミさん電気やさんと文房具やさん好きだからなーw
でもケーキは選ばせてくれないのかな。サプライズで買ってくれたのかな。
30分後、帰宅したタクミさんは手ぶらでした。
あれ? ケーキは?
「あっ。忘れてた」
今思えば典型的な症状だったのに。
でもあのとき私は爆笑して、なんてかわいい人だろうと思ったの。幸せだった。