愛した男はADHDでした。

はじめまして、さくらです。結婚10年めで、夫タクミさんがADHDと判明。日々の迷いと決意を綴ります。

ASD夫に愛されている実感を持つために〜カサンドラ妻の自衛

タクミさんは悲しくなるほど愛情表現してくれません。彼の言葉や行動で「あ、私、愛されてる」と感じることはほぼありません。

 

『アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得』
ルディ・シモン (著)

 

この書籍を読んだことのあるカサンドラ妻は多いと思います。「22の心得」の2つめに「人前での愛情表現は、おそらくなし」って書いてあるの。もうね。人前っていうか人がいなくたって全然ない!

 

カサンドラ妻の私は毎日を「タクミさんのフォローをする日々」と感じています。そこにあるのは「私はタクミさんを愛しているから彼を助けたい」という気持ち。でもこれは「私もタクミさんに愛されている」とセットです。そうでないと「この女と一緒にいるといろいろフォローしてもらえて便利だから」という恐ろしい理由が見えてきて、それは本当につらいしやりきれない。だからこそカサンドラ妻には「夫に愛されている」という実感が本当に本当に必要です。

 

でも愛情表現してくれないASD夫。
今日はカサンドラ妻の私が「ASD夫からいかにして愛されている実感を持つか?」という自衛の記事です。

 

●結婚指輪は「愛の証」

結婚指輪、最近は男性も常につけている人多いですね。タクミさんもつけています。もちろん結婚10年経った今、それはさほどの意味を持たず、彼はおそらくただの習慣でつけています。

でも「結婚指輪は愛の証」と改めて伝えます。「左手の薬指は心臓に一番近い指なのよ(知らんけど)。あなたは私を愛しているからここに指輪をしてくれているのね、嬉しいわ!」「え…。あ、そうだね」タクミさんは否定はしません。「私もあなたを愛しているから毎日指輪をつけているの」と伝えます。「どうして愛情表現してくれないの?」と泣くより「指輪をしてくれているっていうことは私を愛しているっていうことね!」と笑ってタクミさんの指輪に触れる。タクミさんが「うん、そうだね」と返してくれたら私はそこで愛されていると感じて安心すればいい。

タクミさんが洗顔後に指輪を忘れた日は責めてもいいです。「ひどい!指輪をしてくれていないなんて!」

「愛してくれていない」という言葉は漠然としすぎてタクミさんにはまったく伝わらないし、彼はどうしていいかわからないけれど「指輪をしてくれていない」は大変わかりやすく次の行動も明確です。「ごめん、顔洗ったときに忘れちゃったんだよ」と指輪をつけてくれれば「ありがとう、私もあなたを愛しているわ」と笑えます。

 

●日々の家事は「○○してあげた」アピール

ASDのタクミさんは、シャンプーがなくなる前に次のストックをさりげなくバスルームに配置してもその気配りに気がつきません。当たり前のように使うだけ。「なくなりそうだったシャンプー、さくらが買ってきてくれたんだな」なんて思いません。でも、日々の果てしない家事に隠れるさまざまな気配り、全スルーされたら本当に辛い。

だから、うざいくらいにアピールします。「あなたのために、コーヒー入れたわ。ねえ嬉しい?」「バスタオル、ここにおいておくわね。タオルなしでお風呂に行くからきっと困るだろうと思ったのよ」「髪の毛のワックスなくなりそうだったから、買いに行ったの。他に用はなかったけれどわざわざドラッグストアに寄り道したの」「今日の雨ひどかったから、スーツそろそろクリーニングに出してあげようか」

きゃー!うざー!そういうの口に出さないでさりげなくやる心遣いが愛情じゃないの?という心の美意識にはフタをします。ASDのタクミさんはこのくらい言っても「私がこれだけ○○してあげたんだからあなたも私にいろいろしてくれるわよね?」とは受け取りません。ASD夫に言外の下心は伝わらないのです。「さくらがこんなに○○してくれた」だけを受け取って、「ありがとう、助かったよ」と返してくれます。

 

●失敗のフォローは「○○のお礼」

タクミさんは日々さまざまな失敗をします。それを助けるときに「あなたがダメだから私がやるしかない」と言う代わりに「あなたが○○してくれて嬉しかったから、今日は私が手伝ってあげる」と言います。

朝タスクのお風呂洗いを忘れて出勤していったタクミさんに「あなたが洗ってくれなかったから私が洗っておいたわ」と言ってもタクミさんは感謝の言葉をいってくれません。むしろ落ち度を指摘されてむっとする。あるいは「さくらが洗ってくれるから次からも俺はやらなくてもいい」と思う。

でも「あなたが昨日車を運転してくれて助かった、ありがとう。嬉しかったからお礼に今日はあなたの代わりにお風呂を洗っておいたわ」と言うとタクミさんは「ありがとう、俺も助かったよ」と言ってくれます。そして「本来は俺のタスク」ということも自覚します。

タクミさんは悪い人ではない。人とのコミュニケーション方法がわからないだけ。彼のプライドを傷つけないタイミングでわかりやすく見本を示せば安心して同じように返してくれるのです。

 

ああ、めんどくさいわね! しかもなんだかおしつけがましい。わかってる、私だって夫婦お互いにさりげない心遣いができてそこで愛情を感じられたらどんなに嬉しいか。

でも愛した男はADHDでASDでした。だから今のところ見つけたベター。この方法を実践するようになってからタクミさんは「ありがとう」「助かった」「俺もだよ」を自然と言うようになって、私はとても救われているのです。