愛した男はADHDでした。

はじめまして、さくらです。結婚10年めで、夫タクミさんがADHDと判明。日々の迷いと決意を綴ります。

ADHD夫とは話し合いが成り立たない。10年目で見つけた解決方法は筆談だった

私はタクミさんとの「話し合い」にずっと苦労してきました。
「今週末は何をする?」というライトなものから「私たち別居するべきじゃない?」というヘビーなものまで、タクミさんとの話し合いはどうもうまく行かない!

 

「何もかもを話し合いの机上に載せなくても、夫婦ならあうんの呼吸でわかる」というのが我が家にはあり得ません。ASDのタクミさんは察することができないし、「細かく決めていないことはその場の状況でいい感じに判断して行動」が大の苦手なのです。

 

というわけで我が家に「話し合い」は必須。でもADHDのタクミさんは話している途中で飽きてちょいちょい中座するし、中座して戻ってくると前の話を忘れているし、発言の途中で言葉尻にこだわって思考が散乱するし、上手なクッション言葉が使えないせいで悪気なく人を傷つけるし、せっかく決めたことも次の日になると忘れているし。「話し合い」はまったくうまく行かないのです。

 

私はADHDに関する書籍を読みまくり、インターネットで検索しまくり、お勧めされているさまざまな方法を試しました。

 

アジェンダをつくってその通りにすすめる

あらかじめ話し合うことを紙に起こし、時間を決め、ゴールを決め、私がファシリテーターとなって進めます。でもダメでした。タクミさんの中座は止まらないし、思考の散乱も止まらない。結論がでなくても時間が来ると「もう終わりだよね?」と立っていってしまう。

 

パワーポイント資料をつくってその通りにすすめる

これもダメでした。そもそもこれだと話し合いではなくてさくら→タクミさんへのプレゼンになってしまうんですね。あらかじめ結論を私が決めて作っておくという矛盾もあり、タクミさんには「最初から全部決めてあるなら最終ページだけ見せてよ」と不機嫌に言われてしまいました。

 

ホワイトボードに議事を取りながらすすめる

縦1m×横2mのホワイトボードを導入。これはまあまあうまく行きました。文字を書くスピード感、タクミさんの思考スピードにおそらく近い。ただ、私がタクミさんに背を向けてホワイトボードにかいている間にタクミさんの思考はどこかへ散乱してしまいます。また、話し合いが進むにつれて、最初のほうにホワイトボードに書いてある文字を消すとタクミさんの脳裏からもその項目は消えてしまうようでした。

 

Skypeでチャットする

これ、一番ダメでしたね…。喋っていると「2人が同時に喋る」ということはないんですが、チャットだと「2人が同時に入力する」ということがありえる。タクミさんは私の文字を見ないで自分の入力だけすすめてしまいます。また、飽きてくるとネットサーフィンを始めちゃう。

 

他にも、メールにしたり、「気持ちカード」をつくったり、オセロのコマをつかって賛成度を白黒の数で示したり、ほんとうにいろいろやりました。

 

そして、筆談にたどり着いた

ホワイトボード導入のときにちらっと見えたヒント。「文字を書くスピードとタクミの思考スピードが近い」。ここに、答えがありそう。

中学生高校生くらいのとき、授業中に隣の席の子と筆談しませんでしたか? あの感じです。

  • 向かい合うのではなく、隣り合って座る
  • 用意するのはA4のコピー用紙たくさんと、鉛筆を1本。その鉛筆を交互に使う
  • 言葉を発してもいいけれどそれはエンジンのアイドリング音のような扱い。あくまで文字にされたものを発信とする

手書きの文字には心が現れます。強く伝えたいことは自然と大きな文字になる。囲んだり、下線を引いたりしたくなる。やじるしをひいたとき、その大きさ、長さに気持ちの強さが映し出される。細かいルールを決めなくても直感的に目で見て伝わるものがあります。

 

これが、とてもよかった。

 

鉛筆を交互に使うことで、相手の話に割り込む事態を自然と避けられる。気持ちが全て文字になっているので忘れても見直すことができる。中座して戻ってきても同じところから始められる。うまく言えないことを図にできる。絵にできる。そして私たちが隣り合って同じ方向を向いている。

 

タクミさんと私は初めて100%誤解なくきちんとコミュニケーションを取ることができました。これか! これだ!

 

なんで筆談に気がつかなかったんだろう。私たち、どれだけ遠回りしたんだろう。今まであんなにいろいろ試してきて、その中になぜ筆談がはいっていなかったの?

 

ああでも、違うのかも。諦めずにトライしてきて、いろんな方法に1つずつNGを出して、だからこの方法をみつけることができたのかも。タクミさんは思いやりがないわけではなく、理解力がないわけでもなく、単に伝え方が違っただけなんだ。

 

「筆談」を見つけたことで、私たち夫婦のコミュニケーションは格段に改善します。そして、私はこの人とこれからも夫婦を続けていく決心がついたのです。